オフシーズン企画として新カテゴリー「クワガタムシの種類別採集方法」 を設置してクワガタの種類毎に採集方法を紹介して行きます。 基本初心者向けの記事ですがクワガタは地域で生態が微妙に変化していたりしますので中、上級者の方も目を通して頂けると新しい発見があるかもしれません。 なお私が採集を行う地域は次ぎの様な感じです。平地「愛知県西部、岐阜県南部、稀に三重県北部にも行きます。」低山地「岐阜県南部、三重県北部、稀に愛知県北部にも行きます。」高山地「岐阜県北部、稀に富山県南部と長野県西部にも行きます。
■野外活動では何が起こるか分りません。行動はくれぐれも慎重に自己責任でお願いします。当方は一切責任を負いませんのでご了解下さい。
今回のお題は「ミヤマクワガタ」 です(12/23追記) 。※同所的あるいは比較的近場で採集可能な他の種類はスジクワガタ、アカアシクワガタ、ヒラタクワガタ、ノコギリクワガタ、等です。
先ず最初に、ミヤマ(深山)と言う名前から山奥に住むクワガタと思われがちですが比較的低山地から標高1500mくらいまでの高い山まで広範囲に生息している普通種です。
ただし西日本と北日本を除いて完全な平地には全く生息していませんので私の様に平野の真ん中に住んでいる人には全く縁の無い種類で採集難易度どうこうの前に採集不可能です。
採集シーズンの最盛期は7月です。※地域によって二週間ほど前後する場合もあります。
ではミヤマの居る場所を見つける方法を順を追って説明します。
一つ、 標高。 採集し易いのは標高200mから600mくらいの山岳地帯です。単独の小さい山は生息していない場合が多いのでパスしましょう。
標高700mを越える地域ではミマヤは付く樹の種類が変化して低山地と同じ要領では樹液採集は困難になりますので採集方法は街灯廻りが中心になります。
二つ、 ミヤマが付いている樹の種類。 標高200mから600mくらいの山岳地帯ではクヌギ、コナラ、アベマキ、に付きます。地域によってはヤナギにも付くようです。
標高1000mを越えるとミズナラ、ウダイカンバ、カエデに付きますが地域差が激しいようで街灯の下に死骸が落ちている付近で広葉樹を虱潰しに探す必要があり首が大変疲れます。※高標高の地域では他種の採集のついでに探すのが良いかもです。
三っつ、 実際にミヤマの付いている樹を探し出す。 これは平地の森でクワガタやカブトの付く樹を探すのと一緒で道路やハイキングコース等(山の名前が分ってるなら検索して調べ出せます。)の道端などのある程度開けた場所にある樹から見て行きます。※地図で最寄の山地を調べて(グーグルマップなら名前の付いている山は表示されますし右上のダイアログで表示を地形に変更すれば標高も分ります。)山の中を通っている道を探します。
上記のような場所でクヌギ等を見つけたら先ずは樹液が出ていなか見える範囲を探すと思いますがミヤマは昼夜問わず樹液を吸いに来ますので丁寧に探して下さい。
仮に樹液の出ている場所に居ない場合は樹の上の方をくまなく観察します。ミヤマは樹の股や何も無い樹の幹の真ん中でも交尾後にメスをメイトガードしてじっとしている事があります。
それでもミヤマを発見出来ない場合は樹の根元を観察してみましょう。ミヤマの死骸が落ちていることがありますからミヤマの死骸を発見したら、もう一度樹の上を良く観察します。
見る角度や立ち位置を変えると樹の股や瘤の上にミマヤの姿が見える事もありますが仮にミヤマが付いているのが見え無かったとしましょう。でも未だ諦めてはいけません。
最後に樹の幹に力いっぱい蹴りを入れます。ミヤマが見えない場所に付いていれば蹴りのショックに驚いて落ちて来ます。
ここまでの方法で道端の樹で採集できたなら山の中も探索したくなるものですが山の中では方角が分らなくなり遭難の危険があるのでGPS機器と非常用の装備がある場合以外は止めておきましょう。
以上の行程を繰り返していればミヤマは採集出来る筈ですがクヌギ等のミヤマの付く筈の樹を10本以上回ってミヤマが採集出来ず樹の根元に死骸も落ちて居ない場合はその周辺にはミヤマが居ないか居てもごく僅かなのかも知れません。この場合は探索場所を大きく移動する必要があります。
次はどういう行動に移るか?この時点で未だ時間に余裕がある場合(未だ正午前後とか…帰宅に掛かる時間等で変化すると思いますが…。)は縦の移動をします。
具体的には標高が低い場所を探索していたなら標高の高い場所へ。標高の高い場所を探索していたなら標高の低い場所を探索します。
それでもミヤマが見つけられない又は最初の探索が終了した時点で日没が近くなっていた場合は…その日の夜も探索可能な場合は当日の夜に、当日が無理な場合は日を改めて街灯廻りをしてみましょう。
四っつ、 街灯採集。 闇雲に街灯を探して自動車等を走らせても効率が悪いのでまずは地図を見て場所の絞込みをします。
地図を用意したら地図から街灯の有る又はありそうな場所をピックアップして行きます。探すべき施設等は次の通りです。
公園その他の公共施設、水力発電所、コンビニエンスストア、商店、温泉街、その他観光名所、道の駅、ゴルフ場、学校。各施設等の攻略方法は下記の通りです。
公園その他の公共施設
公園の場合は四方を山に囲まれているのがベストですが山脈が連なっている様な場所の端っこなら完全に山に囲まれていなくてもミヤマが飛来する可能性は高いです。※これはどの施設にも言える事です。
その他の施設としては老人ホームや養護施設などの駐車場や施設の入り口は防犯目的で一晩中明かりが点いていればミヤマが飛来する可能性は高いです。
水力発電所
施設の入り口や周辺に街灯が設置されているので高確率でミヤマが飛来します。
コンビニエンスストア
結構当たり外れが有りますが街灯廻りでは定番ですね。やはり山の近くにあるほどミヤマの飛来率は高いようです。
商店
夜でも店頭の自販機は明かりが点いていますのでミヤマが飛来します。※グーグルマップで検索にも掛かりますので普通の民家の前等に設置してある自販機よりは探し易いです。
温泉街
旅館や土産物屋が有る通りには街路灯や自販機がありますので意外な穴場です。
その他観光名所
有名な滝の付近や山上湖の付近は旅館や土産物屋が有り街路灯や自販機がありますので温泉街同様に穴場です。
道の駅
自販機等の灯りにミヤマが飛来します。
ゴルフ場
入り口や駐車場の灯りが一晩中点いている所ならミヤマが飛来します。
学校
入り口やグラウンドの端っこ等に防犯用に明かりが点いているのでミヤマが飛来します。※但し地元住民に通報されて警察官の人に職務質問を受ける確率が非常に高いので子持ちの方限定ですね(盛夏なら子供を連れて網と懐中電灯持っていればうろうろしていても騒がない限り地元住民の方も放置してくれるでしょう。)。
その他の街灯採集での注意事項。
廻る時間。ミヤマはカブトやドルクス属(オオ、アカアシ、ヒラタ等の属するグループ)と違って早い時間から飛来しますので午後9時過ぎには巡回を始めましょう。
身分証明書の携帯。たまに警察官の人から職務質問されますが持っていないと長時間拘束されますので必ず携帯しましょう。
近くに樹は無いか?沢山クワガタの飛来する場所は案外直ぐ近くに樹液を出している樹があったりしますので周辺を見回してみてください。※樹液は出ていなくても街灯の側に樹があれば枝にクワガタが付いている事もありますので良く観察してください。場合によっては磯玉網の柄で枝を軽く叩けば見えなかったクワガタが落ちて来る事もあります(枝を折らない様に注意して叩いてください。住居や商店の敷地に生えている樹だと器物破損で訴えられる場合も有り得ます。) 。
標高600m以下の山地にてクワガタを拾った街灯の周辺で日中に樹液を出している樹を探索する場合。
クワガタは種類によって差は有りますがメスで一キロ程度、オスは五百メートル程度しか一度の飛翔では飛べませんので拾った場所から最長でも一キロ程度の範囲での捜索になります。
上記の範囲内で手頃な山道(市道、林道、等の車道。)を地図を見て探しだし自動車で捜索する場合は後続車に注意しながらクヌギ等を探します。後は三つ目の項目と同様に探索します。
もしも地図上で山の名前が確認出来る様ならネットで検索してハイキングコースや遊歩道が無いか調べて見ましょう。上手く見つかれば探索が捗ります。
それから探索する時間ですが一箇所に固執せずある程度捜索したら見切りをつけて次々と捜索しましょう。ミヤマの場合は四方を山に囲まれた場所を探索する事が多いですから自分が想定した所とは違う場所から飛んで来ている事も考えられます。
探し出したミヤマの飛来する街灯が標高1000mを越える高地だった場合。
1000mを越える様な高地に飛来するミヤマは日中はミズナラ、ウダイカンバ、カエデの仲間(私も未だ一例しか発見例が無く詳しい樹種までは判りません。)の枝に付いていますが道端の全ての樹にミヤマが付いている訳でもないですし全ての樹を蹴って行く訳にも行かないのでルッキング採集が主体になります。
ミズナラの樹を見る場合は幹から枝先まで隅々まで見ますが大抵は高所に居ますので磯玉網は柄が8m以上の長い物が必要です。
ウダイカンバの樹は私の経験では若木の枝にも成木の枝にも付きますが幹に付いている所は見た事がありません。基本的に枝先の二股になっている所の蛾の幼虫が寄生している部分に染み出ている樹液を吸汁していますがメスはヒメオオやアカアシと同様に枝を自分で齧って染み出る樹液を吸汁している事もあります。
カエデの仲間の樹の場合はウダイカンバと同様です。
標高600mから1000mの山地にてクワガタを拾った街灯の周辺で日中にミヤマの居る樹を探し出す場合。
残念ながら私は600mから1000mの標高の場所ではミヤマは街灯採集でしか採集した事が無いので確定的な事は言えません。
ネットで調べるとクヌギもコナラも標高1000mくらいまで自生するそうなのでヒントは樹液を出す原因の虫にあると思います。
■標高500m以上の地域は熊が出ますので必ず熊鈴を付けましょう!
五つ、 道具について。
無いと話にならないのが磯玉網(4mから10m超の長い柄のタモ網。)です。ミヤマは大型になるほど樹の高い場所に居るので柄の長いタモ網は絶対に必要です。※直径50Cmを超える様な太い樹は蹴っても振動がクワガタに伝わりませんし木の下が藪だと落としたクワガタを見失ってしまいます。
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私の場合は上の商品と同様の物に下の画像の自作のタモ網を取り付けて使用しています。
網の支柱は三角錐を逆様にした形態で開口部の周辺にプラスチックの管を被せてあり樹の幹の上を下から上に滑らせてクワガタを開口部に落とし込む作りになっています。
懐中電灯(LEDライト)
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SF-352X3は今後購入予定のモデルです。以前から使用していたSF-533XXは製造終了でアマゾンでは取り扱わなくなったようです。リンクは今後購入予定のタイプを貼りましたので参考にしてください。単二電池使用なのでスペーサーを使用すれば更なる軽量化も可能です。
ヘッドライトタイプは両手をフリーにしたい時に重宝します。
街灯採集では結構明るい場所から離れた暗い場所にクワガタが落ちている事もあるのででなるべく軽量で強力なライトを用意しましょう。
安全の為に必要な道具
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ポイズンリムーバー 蜂に刺されたり毒蛇に咬まれたりした際に毒を吸い出す器具です。
熊よけの鈴 標高500m以上の山には熊も生息していますので事前に情報収集して熊の出没記録の有る地域では必ず携帯して下さい。※標高1000m以上の地域の森林にはほぼ間違いなく熊が生息しています。
蛭(ヤマビル=地上性の吸血性ヒル。)を寄せ付けない為の薬剤 ヤマビルは近年、鹿の増殖と拡散に伴って生息域を広げています。ミヤマ同様に冷涼湿潤環境を好むのでミヤマ採集では厄介な存在です。
虫除け 私は容器の頭部にスポンジが付いていて直接塗るタイプを好んで使用しています。※街灯採集では、こちらで十分です。
蚊取り線香 蚊の多い山で日中に探索する場合は必需品です。日中は虫除けは汗で流れてしまいますからね。
防虫ネット 猛烈に蚊の多い山では、これじゃないと駄目な場合があります。
ウォーターガン クワガタの付いている樹にスズメバチが居た場合にスズメバチに水を掛ける為の装備です。ハチは濡れると羽が乾くまで飛べなくなりますから安全に採集が続けられます。それに無意味な殺生をせずに済みますしね。
山の中に分け入る場合に必要な道具
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GPS機能付きのタブレットパソコン グーグルマップで自分の位置が分るので紙の地図より良いですし道の無い場所を探索する場合は凄く役立ちます。
注意点としては電波が入らないと地図の更新が出来ないので電波の入らない場所に行く時は事前に電波の入る所で地図を読み込む必要があります。
トレッキングシューズ、マウンテンブーツ 長時間に渡って山中を探索する場合は登山用の靴の方が疲れを軽減できるのでお勧めです。
ラバーブーツ(長靴) ヒルの多い山では必需品です。
コンパス 山の中では方向が分かり難いので必需品です。
非常用具、非常食、飲料水 万が一に備えて携帯して置くと安心ですが過信して無理はしないようにしましょう。
雨具(合羽) 山の天気は変わり易いですし雨天時は平地より冷えますので最低でも携帯用のコンパクトタイプの物は携帯しましょう。
■アマゾンのリンクに関しては特にお勧めしている物以外は適当にセレクトしていますので下のサーチボックスから検索して予算に合わせた物を購入して下さい。
余り安すぎる物は「安物買いの銭失い。」 になりますので予算に合わせて中間の価格帯から選択するのがベターかと思います。
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このブログは夏場はそこそこアクセスがあるのですが冬季は閑古鳥が鳴いている状態で春と秋も「冬よりはまし」って状態でして私自身のモチベーションを維持するのが大変困難なのです。
今後は作成済みのクワガタの種類別採集方法の記事にも「採集現場の画像」を追加していく予定ですがモチベーションが上がらないと「まぁ画像は保存だけしておいて次の冬になってからアップすれば良いか?」ってなってしまうので是非とも投票や評価やクリックをお願い致します。
それからアマゾンのリンクに関してですが私自身アマゾンを良く利用していて便利に感
じているのでリンクを張ってあるのですがブログの記事の作成自体も結構時間が掛かっていて出来れば多少は時間に対する対価も欲しいので可能でしたら、この
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るとか出来ますし…。