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2006年7月 4日 (火)

サイカチSS第六話「恐怖の殺人バスト?」

目的地の奄美大島に到着し宿泊先の風呂で旅の疲れを癒す真夏たち。

「稲穂先生この後は夕涼みを兼ねて街灯採集に出かけるんですよね。」
「そうだ奄美大島は樹液を出す木が少ないのでクワガタは餌場を求めて飛翔するから街灯にも集まる。クイーンは街灯採集は初めてか?」
「はい。昆虫採集自体が今回が初めてで今までは甲虫を戦わせる為の事しか教えて貰わなかったんです。」
「そうか私が分る事は何でも教えるから遠慮なく聞いてくれて構わないぞ。」
「はい。あたしも一生懸命覚えます。」
「そうか。ではそろそろ体を洗おうか?」
「はい。お背中お流ししますね。」
「すまないな。」

「あぁ・・・稲穂先生ってスタイルが良くて羨ましいなぁ。」
「そ、そうか?私の場合ブリーダー体型だから筋肉質なだけだと思うが?」
「そんな事無いですよ女らしい魅力的な体型ですよ。」
「いや、ははは・・・。」
うつむいて赤くなる稲穂。
「よし今度は私がクイーンの背中を流そう。」
「え~良いんですか?」
「遠慮するな。」
「はい。じゃぁお願いします。」
互いの背中を流しあった後。各自の体を洗い再び湯船に浸かる稲穂とアマミ。

『さてとぉ問題はこの後の街灯採集でどうやって真夏君と二人きりになるかよねぇ・・・。』湯船に浸かりながら考え事を始めるアマミ。
「・・・・・・・。」
アマミが考え事を始めてしまったのでぼーっと湯に浸かっている稲穂。
『・・・・・・。』
『・・・・・・。』
『そろそろ風呂から上がりたいのだがクイーンは上がりそうにないな・・・どうしたものか?』
クイーンに気を使い風呂から出たくても出られない稲穂。
『怪我をした振りをして真夏君にこの家まで背負って来てもらうのは・・・翌日真夏君と一緒にトラップを仕掛けに行けなくなるから駄目か・・・。』
更に考え込んでいるアマミだが・・・。

「ブクブクブク。」
「え?稲穂先生!?」
のぼせてしまった稲穂がアマミの目の前で湯に沈んでいく。
「た、大変。先生しっかりして!よいしょっとぉ・・・うぅ・・・駄目あたしもめまいが・・・。」
アマミ自身ものぼせてしまっていた様で稲穂を風呂桶の縁に上半身を押し上げた所で力が抜けてしまう。
「ねぇ。いつまでお風呂に入ってるの?」
あまりに長く風呂に入っている二人が心配になったあさがおが浴室を覗き込む。
「ちょ、ちょと二人とも大丈夫?」
「御蔵さん。ちょとのぼせちゃたから出るのてつらっへ・・・。」
「少女よ・・・すまんが私ものぼせてしまった・・・。」
「もおアマミさんもお姉さんもなにやってるのよ・・・。」
だらしなく風呂桶の縁につかまっている二人を見て呆れるあさがお。

風通しの良い部屋に運ばれる稲穂とアマミ。

「脈は少し速いくらいだし横になってれば小一時間くらいで元気になるわよ」
「本当ですかおばさん。」
「えぇ本当よ真夏君。」
「ありがとうございますおばさん。師匠良かったですね直ぐに元気になるそうですよ。」
「心配かけてスマンな少年。」
「良いんですよ師匠。クイーンも良かったな!」
「ありがとう真夏君。」
『あ~ん。どうして「も」なの?あたしはついでなのぉ?』
真夏についで扱いされて内心穏やかでないアマミ。

稲穂とアマミ以外の者も入浴を終え街灯採集に出かける真夏たち一行。

「~虫が集まる街灯の見分け方だがオレンジ灯などの赤色系の街灯には虫は集まらないのであまり注意は払わなくて良い。」
「師匠なんでオレンジ灯には虫が集まらないんですか?」
「それはだな少年、虫は赤色系の色が認識できないから必然的に赤色系の光を放つオレンジ灯には集まらないんだ。」
「昆虫ゼリーに赤色の製品が多いのと同じ理由ですね。」
「そうだ昆虫ゼリーが赤色の製品が多いのは赤色系の色が認識できない虫は赤い色の餌なら警戒心を持たずに食べるからだからな。良く知っていたな侍少年。」
「敵を知り己(自分と自分の相棒の甲虫)を知れば百戦危うからずですから。」
「次に虫が良く集まる種類の街灯だが代表的なのは蛍光灯や水銀灯などの青白い系統の光を放つ物が虫が良く集まる明かりだ。」
「稲穂さん、その中には水○燈(羽付き人形)も含まれるんどすか?」
「え!?」
清水の意味不明の質問に唖然とする一同。
「清水姉さん、そう云う事はこのSSを書いてる人と一部の読者にしか分りませんので止めて下さい。」
「そうなんどすか?流輝はん?それは失礼しはりました。」

「ゴホン、ん、他に注意する事は不用意に物陰等に手を入れたりしない事だな乾燥している所にはハブは居ないが野生生物相手に絶対という事はないのだ。」
「ハブかぁ、そんなに怖い毒蛇なんですか?師匠。」
「ハブの毒は出血毒で死亡率は低いが咬傷周辺がケロイド状になり醜い傷跡が残るし咬まれた時の痛みは相当のものらしいから気を付けた方が良いだろう。」
『絶対に咬まれない様にしなくちゃ・・・。』心の中で同時に呟くアマミとあさがお。
「不測の事態に備えて単独行動は避けるべきでしょうね。」
「その通りだ侍少年。」
「そういえば蛇の毒ってオシッコで中和できたんじゃねーか?」
「それは蜂だって!タカアキ。」
「お下品どすなぁ。」
突っ込みを入れる真夏と清水。

「あ!真夏君あの街灯の周りに虫が飛んでるわよぉ。」
「本当か?クイーン。」
「走ると危ないぞ少年!っと・・・。」
「師匠!?危ない!!」
走り出そうとした真夏だが稲穂に呼び止められて振り向くと、その稲穂が石に躓いて転びそうになっていた。
「ボフ!」
前に倒れこみそうになる稲穂を受け止める真夏だが受け止めきれず後ずさりしてしまう。
「危ない!」「あぶねぇ!」
咄嗟に真夏を支える流輝とタカアキ。

「もがうごあが・・・。」
『い、息が出来ない。』倒れこんできた稲穂の胸に顔が埋まり息が出来なくなる真夏。
「どうしたのだ少年?」
状況が飲み込めていない稲穂。
『何でお前ばっかり・・・。』
『美味し過ぎです真夏君。』
稲穂の胸に顔を埋めている真夏を見て呟くタカアキと流輝。

「お姉さん早く離れて真夏が窒息しちゃう。」
稲穂の背中側から肩を掴み馬鹿力で二人を引き離すあさがお。
「はあ・・・はあ・・・死ぬかと思った。」
「スマン少年・・・。」
「い、良いんですよ師匠わるいのはオレなんですから。」
俯いてもじもじする稲穂と同じく俯いて頭を掻く真夏。
「あぁん、どうしてこうなるのぉ?」
何と無く良い雰囲気の稲穂と真夏を見て悔しがるアマミ。

若干トラブルが有ったものの順調に街灯を廻っていく真夏たち。

「まっなつー又ヒラタ拾ったよー!」
「あさがお・・・、だからそれはノコギリクワガタだって言ってるだろ?」
「えぇ~同じジャン?」
「うむ、それはアマミノコギリのメスだな。スジブトと同様に上翅に太い筋が有るから初心者はスジブトのメスと間違えやすいんだ。」
「先生これってヒラタのメスですよねスジブトですか?」
「クイーン残念だがこのメスはアマミヒラタのメスだな。スジブトはオスもメスも上翅に太い筋があるんだ。」
「そっかぁ、あたしってスジブトは流輝の使ったオスしか知らなかったから・・・。」

「おっ!流輝おまえが今拾ったクワガタ、スジブトのメスじゃねーか?」
流輝が拾い上げたクワガタを指差すタカアキ。
「何だよ流輝せっかくスジブトを捕まえたのに嬉しそうじゃないな?」
「真夏君・・・えぇ・・・手持ちの血統の血筋を残すにはオスが必要ですから・・・。」
「そっか、今まで大切に累代いしてきた血統の血は残したいもんな。」
「はい。しかし今日はもう遅いですから宿泊先に帰りましょうか?」
「うむ、そうだなスジブトは明日の果実トラップ採集にかけるのが良かろう。」
流輝の提案に賛同する稲穂。

「それでは宿泊先に帰ろうか?」
「はーい。」
稲穂の呼び掛けに答える一同。
「ねぇ真夏君クワガタどれくらい捕まえたのぉ?」
真夏に腕を絡めながら話しかけるアマミ。
「お、おぅアマミノコギリとアマミヒラタのオスを2頭づつだぜ!」
「嬉しいぃ、あたしと同じ[アマミ]の付くクワガタを4頭も捕まえたんだぁ!」
「ふんっ!アマミオオシマで採集してんだからアマミなんたらってクワガタが取れるのは当たり前じゃない!」
アマミと真夏の会話に割込むあさがお。
「あ~らノコギリクワガタとヒラタクワガタの区別が付かない御蔵さん、どうかしたのぉ~?」
「キー!なんですってぇ~!」
「なぁによ~!」
『オレの両脇で喧嘩するのは止めてくれよ・・・。』首を引っ込めてげんなりした表情の真夏。

そんな三人を微笑みながら見つめる稲穂、流輝、清水。
タカアキだけは不機嫌そうに見ている。
やがて真夏たちを追って歩き出す四人。
明日は果実トラップ採集のトラップを仕掛けに廻る。

つづく。

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コメント

こんにちは
やはりムシチクあってのサイカチですね。ためになりました。
BLACK OUT!、お疲れ様でした。羨ましくレポを拝見しておりましたよ。東北の片田舎で。次は埼玉でやるそうですが、藤見、カミムラセンセは来ないだろうからなぁ。珍しい虫を見るだけでも面白そうですが。

投稿: | 2006年7月 5日 (水) 03時19分

ムシちくに関しては鍬道に出てくる事と被ってる部分も多いのですがネットで得た知識と鍬道で得た知識がどちらで知ったのが先だったか記憶が曖昧で何ともなのですが・・・。

ただ採集に関しては経験で知っている事が生かせればいいのですが虫の生態は地域によっても違うし離島採集はした事が無いのでネットで収集した情報に頼る部分が大きいです。

埼玉でのBLACK OUTはサイン会を開くかどうかは未定だそうですが今回の名古屋でのサイン会も本決まりになったのは一週間前だそうなので念の為に当日の予定は空けておいた方が無難だと思いますよ。

投稿: 水夢 | 2006年7月 6日 (木) 08時47分

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話はサイカチ最終回後の打ち上げまで遡る。 全員「お疲れ様でした~!」 真夏(以下真)「何か長かったようであっという間だったなぁ」 あさがお(以下あ)「短かったようでやっぱりあっという間の間違いじゃないの?」 アマミ(以下ア)「そんな身も蓋もないこと言わ...... [続きを読む]

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